SharePoint で業務効率化をするための 6 つのポイントとは?活用事例や事例も紹介

近年、リモートワークや働き方改革が推進される中、時間や場所にとらわれずに社内情報にアクセスできる環境が不可欠となっています。そのような状況下において、Microsoft 社の「Microsoft SharePoint」は、企業の情報共有基盤としてこれまで多くの組織で採用されてきました。

本記事では、SharePoint の基本的な機能や導入のメリット・デメリット、業務効率化に役立つ拡張ツールなどを解説します。

さらに、SharePoint が企業の業務効率化に貢献している具体的な事例もご紹介しますので、導入をお考えの方はぜひ参考にしてください。


 

●この記事の目次

  1. SharePoint の主な機能を解説
  2. SharePoint で業務効率化をするための 6 つのポイント
    2-1. ①作成目的を明確にする
    2-2. ②自社に合ったプランを選ぶ
    2-3. ③必要な機能の優先順位付けを行う
    2-4. ④プロトタイプを作りブラッシュアップしていく
    2-5. ⑤ワークフローシステム構築の前にマニュアルを作る
    2-6. ⑥分かりやすいデザインにする
  3. SharePoint の導入メリットを活用事例とともに解説
    3-1. 社内ポータルサイトを作成できる
    3-2. ドキュメント管理でノウハウやナレッジを共有する
    3-3. ワークフローの自動化を行う
    3-4. 様々な使い方ができるリストでデータ管理を行う
    3-5. 社員全体の予定の把握を行う
  4. SharePoint の導入デメリット
    4-1. 見た目がわかりづらく利用しづらい
    4-2. カスタマイズの範囲が狭い
  5. SharePoint ポータルサイト構築支援サービスの事例 2 選
    5-1. 自動車メーカー様
    5-2. 化学卸売業様
  6. SharePointに関するご相談はSGプラスまで

 


 

SharePoint の主な機能を解説

情報共有基盤として多くの組織で活用される SharePoint ですが、具体的にはどういった機能を持つサービスなのでしょうか。簡単にご紹介します。

SharePoint はファイルや情報を共有し、複数人で同時に編集できる機能を備えたアプリケーションであり、社内ポータルサイトや社外向けサイトの構築にも活用できます。Microsoft 365 の一部として提供されているため、新たな契約やユーザー管理が不要で導入しやすく、すべてのデータをクラウド上に保存できるため、社内外からアクセスが可能です。

特にリモートワークにおける情報共有ツールとして注目されています。また、部署やチーム、プロジェクトごとにファイルや情報を一元管理できることから、さまざまなビジネスシーンで利用されています。

よく比較されるクラウドストレージに「Microsoft OneDrive」があります。OneDrive は個人向けのオンラインストレージに特化しているのに対し、SharePoint はポータルサイトの作成やワークフローの構築など、主に組織全体で活用されるケースが多くみられます。

 

 

SharePoint で業務効率化をするための 6 つのポイント

SharePoint は初心者でもなんとなく操作できてしまう便利なツールですが、より業務効率化を加速させるためにはいくつかのポイントをおさえる必要があります。ここでは、業務の効率化を叶える6つのポイントを解説していきましょう。

 

①作成目的を明確にする

まずは、「ポータルサイトの目的」を明確にすることが重要です。ポータルサイトは情報共有のための場であり、全従業員が利用することを前提に設計する必要があります。部署を超えて多くの人が関わるため、誰にとっても使いやすい構成にすることが求められるため、関係部門へのアンケートやヒアリングを行い、ニーズを把握することが最も効果的です。これにより、構築後の不要なカスタマイズを防ぎ、メンテナンスや再構築にかかるコストやリソースを削減できるでしょう。

 

②自社に合ったプランを選ぶ

SharePoint を効率的に活用するには、自社に適した Microsoft 365 のプランを選ぶことが重要です。Microsoft 365 には複数のプランがあり、それぞれデスクトップ版アプリの有無、ストレージ容量、セキュリティ対策などが異なります。

例えば、一般法人向けの Basic プランでは、Word や Excel などの Office アプリは Web 版とモバイル版のみで、デスクトップ版を使用したい場合は上位プランを選ぶ必要があります。また、高いプランほどストレージ容量が大きくなり、セキュリティ機能も強化されることも念頭に置き、自社に必要な機能を明確にして最適なプランを選びましょう。

 

③必要な機能の優先順位付けを行う

SharePoint の大きな特長は、Microsoft 365 の他アプリと連携できる点です。しかし、すべての機能が本当に必要か、他のアプリで代替できないかを検討し、最初に決めた「サイトの目的」を常に意識することが大切です。また、機能を詰め込みすぎると情報が多すぎて使いにくいサイトになりがちです。これを防ぐために、必要な機能を整理し、優先順位を決めながら慎重に選定しましょう。必要に応じて、社内ポータルをジャンル別やチーム・部署ごとに分けることで、より使いやすいサイトを構築することができます。

 

④プロトタイプを作りブラッシュアップしていく

最初から完璧なサイトを設計するのは難しいため、まずはプロトタイプを作成し、改善を重ねていくことを前提としましょう。関係者と協力しながら、実際に使ってみて課題を洗い出し、修正を繰り返しながら最適な形に仕上げていきます。特にトップページなど頻繁に更新する部分は、複雑なレイアウトを避け、編集しやすさを優先することで運用負荷を軽減できます。最初の段階では細部にこだわらず、まずはシンプルな構成でテストページを作成し、その後メンバーと意見を交わしながら改善していくことで、使いやすいポータルサイトが構築しやすくなるでしょう。

 

⑤ワークフローシステム構築の前にマニュアルを作る

SharePoint でワークフローを作成する際は、できるだけシンプルに設計することが大切です。例えば、複数の部署をまたぐ並列ワークフローを作成すると、条件分岐が増えて処理が複雑化し、フォームの準備など作業負担も大きくなります。そのため、承認者や関与する部門が増えすぎないよう、導入前に見直しておくことが必要です。こうした課題を防ぐために、ワークフロー導入前にマニュアルを作成しておくのが効果的でしょう。

現在の業務フローや帳票の運用状況を整理し、システム導入後の改善点を明確にすることで、業務全体の理解が深まり、ワークフローの設計にも役立ちます。

 

⑥分かりやすいデザインにする

社内ポータルサイトを作成する際は、見やすく分かりやすいデザインを意識することが重要です。どれだけ有益な情報を掲載していても、レイアウトが分かりづらいと利用者が途中で離脱し、サイト本来の目的である「情報を正しく届ける」ことができなくなってしまいます。そのため、社内向けサイトであっても、外部向けサイトと同じようにデザインにこだわることが大切です。使いにくいデザインでは利便性が低下するだけでなく、最終的に活用されなくなることもあるため、閲覧者がスムーズに情報を得られるよう、構成・デザインを工夫しましょう。

 

 

SharePoint の導入メリットを活用事例とともに解説

ここでは、SharePoint のメリットを5つ、活用事例と合わせて解説していきます。

 

社内ポータルサイトを作成できる

用意されたテンプレートを活用すれば、社内ポータルサイトを簡単に構築できます。ポータルサイトがあると、社内ニュースやお知らせの発信はもちろん、各部署や店舗の情報共有、タスクの進捗管理などにも活用できます。さらに、社内掲示板や SNS のような使い方もできるため、リモートワーク時のコミュニケーション活性化にも役立ちます。また、管理者がユーザーのアクセス権を制御できる機能があり、内部からの情報漏えいリスクを防ぐことも可能。さらに、チームやプロジェクトごとに専用のサイトを作成できる点も大きなメリットです。

【活用事例】株式会社ヤマトマネキン様

コミュニケーションツールとして運用していきたい。メールの一斉配信は、自分にとって関係ないという内容のものはスルーするという傾向があり、また、通達に関しても見逃しというものが多い。これをポータルサイトに全部反映することで防ぐことができると考えています。

事例紹介 株式会社 ヤマトマネキン 様

 

ドキュメント管理でノウハウやナレッジを共有する

SharePoint を活用すれば、文書や画像などのドキュメントを安全かつ効率的に管理できます。特に、Excel や Word などの Office 製品とスムーズに連携できる点が大きなメリットで、ファイルを SharePoint に保存するだけで、あらかじめ設定したメンバーと自動的に共有され、閲覧や編集が可能になります。また、メール添付のように容量を気にする必要がなく、Microsoft の最新セキュリティシステムを活用できるため、機密情報の管理にも適しています。これにより、契約書や売上関連の書類、社内規定や申請書などを一元管理する企業が増えています。例えば、会議資料や企画書を SharePoint 上で共有し、リアルタイムで編集できれば、会議の進行がスムーズになり、出張先やリモートワーク中でもアクセス可能。さらに、印刷コストの削減や情報の伝達ミス防止にもつながります。加えて、議事録や業務マニュアル、設計書などのナレッジを共有することで、業務の属人化を防ぎ、ブラックボックス化を解消できます。

全文検索機能も備わっており、ファイル名だけでなく文書内のキーワードから簡単に検索できるため、一般的なファイルサーバーよりも利便性が高いのが特徴です。

【活用事例】株式会社MPX様

一般企業の多くが Microsoft のシステムを利用しているということ、また社員の多くが他の OS 環境に不慣れということもあり、Windows ベースで進めていくことは決定事項だった。社内でサーバーを管理するより、将来的な拡張性も考えてクラウドを利用していきたい。

事例紹介 株式会社 MPX 様

 

ワークフローの自動化を行う

従来の紙ベースのワークフローには、以下のような課題がありました。

  • 申請書や補足資料の印刷にコストがかかる
  • 申請書の所在が不明確で、進捗が把握しにくい
  • リモートワーク時でも承認のために出社が必要
  • 書類の保管スペースが必要になり、管理が煩雑

特に紙代や印刷コスト、人件費を含めると、年間の運用コストは想像以上に膨大です。さらに、法律で7年間の保管義務がある書類も多く、物理的な管理負担も大きくなります。SharePoint を活用すれば、豊富なテンプレートを利用し、ノーコード・ローコードでワークフローを自動化できます。これにより、口頭確認やメールの回覧漏れといったトラブルを防ぐだけでなく、スマホからの申請・承認が可能になるため、業務の効率化や生産性向上に貢献します。また、クラウド上で書類を一括管理できるため、印刷コストの削減や保管業務の負担軽減にもつながり、企業の働き方改革を推進します。

【活用事例】株式会社ブリヂストン

CSR 情報を社内に発信し、浸透させていくためのツールとして重要な役割を担ってきた社内のポータルサイト。これまで HTML 形式だったものを SharePoint Online に移築したい。

事例紹介 株式会社ブリヂストン 様

 

様々な使い方ができるリストでデータ管理を行う

SharePoint には「リスト」という機能があり、Excel のような表形式でデータを管理できます。作成したデータはチームメンバーと共有でき、編集や確認も可能です。Excelと同様に「列」と「行」を設定し、顧客管理・案件管理・タスク管理など幅広い用途で活用できます。入力項目はテキストだけでなく、選択肢やチェックボックスにも対応し、フィルターや並び替えなどの表示形式も自由に調整可能です。例えば、リストを活用して問い合わせ管理を作成することができます。列に「問い合わせ日」「問い合わせ内容」「担当者」「進捗状況」「解決日」などを設定し、行にデータを入力することで、一覧管理が可能になります。さらに、編集できるメンバーを制限すれば、データの誤編集や改ざんを防ぐこともできるでしょう。また、ワークフロー機能と組み合わせることで、より効率的な運用が実現できます。例えば、新しい問い合わせが入力された際に、Teams に自動通知を送るよう設定すれば、迅速な対応が可能になり、業務のスピードアップにつながるでしょう。

【活用事例】大塚ホールディングス株式会社様

内部統制部で運用している情報共有サイトを​リニューアルしたい​。SharePoint 上で情報共有できる基盤を構築​し、今後は自分たちで更新していくことを考えている。

事例紹介 大塚ホールディングス株式会社 様

 

社員全体の予定の把握を行う

SharePoint を利用すれば、スケジュール管理や予定の共有を効率的に行うことができます。SharePoint の予定表はシンプルなデザインで、入力も簡単で見やすいのが特徴です。また、会社の重要な日程や締め日を追加できるため、社内ポータルサイトに掲載することで、全社員が必要な情報をスムーズに把握できます。例えば、休暇やテレワークの予定を登録すれば、チーム全体のスケジュールを一目で確認できるようになります。予定の共有を徹底することで、業務の調整がしやすくなり、無駄なやり取りの削減にもつながります。SharePoint の予定表を活用し、社内のスケジュール管理を効率化してみましょう。

【活用事例】株式会社ヤマトマネキン様

社内スタッフだけで 100 人を超えている。社内でのコミュニケーションとしてポータルサイトを活用し、より社内の情報基盤を良いものにしていきたいという思いがある。

事例紹介 株式会社 ヤマトマネキン 様

 

 

SharePoint の導入デメリット

導入にメリットの多い SharePoint ですが、デメリットはあるのでしょうか?次に見ていきましょう。

 

見た目がわかりづらく利用しづらい

SharePoint のデメリットとして、見た目がわかりづらく利用しづらいことが挙げられます。機能としては優れているものの、見た目のわかりづらさがあまり普及していない原因の一つとなっています。

 

カスタマイズの範囲が狭い

見た目の分かりづらさを解消するため、ある程度見た目を変えることはできます。しかしカスタマイズ可能なのは、テンプレートからレイアウトを選ぶ、またはテーマカラーの変更程度です。サイトをおしゃれなビジュアルにしたり、企業としてのブランド価値を高めるというところまでデザイン性をあげることは難しいと考えてよいでしょう。

 

 

SharePoint ポータルサイト構築支援サービスの事例 2 選

SharePoint は多彩な機能を備えており業務効率化に役立ちますが、導入するにあたって進め方がイメージできない担当者様も多いのではないでしょうか?

ここでは、SGプラスがサポートに入ることで SharePoint を有効活用し、組織内コミュニケーションを円滑に進められるようになった2つの事例をご紹介します。

 

自動車メーカー様

ポータルサイトをわかりやすく、1 〜 2 クリックで目的のコンテンツにたどり着けるようにしたい、とのご要望を受け、構築を支援しました。現状のコンテンツの洗い出し、サイト構成の見直し、デザイン変更、コンテンツの再作成を行い、リニューアルしました。また運用フェーズではニュースのライティングやコンテンツ作成もお手伝いしています。

 

化学卸売業様

ポータルサイトのリニューアルを計画しているが、どこから始めればいいかわからないので支援してほしい、とのご要望を受け、企画フェーズの支援をしました。週次で定例会議を実施し、SharePoint を熟知したコンサルタントがファシリテーターとして参加し、サイト構成やコンテンツ構成、権限構成、運用ルール等をまとめました。

詳しくは、SharePoint ポータルサイト構築支援サービス

 

SharePointに関するご相談はSGプラスまで

ここまで、業務効率化に役立つ SharePoint の活用方法をご紹介してきましたが、いかがでしたか?

SharePoint を活用すれば、社員が場所を問わず業務にアクセスでき、Microsoft 365 との連携でデータ管理やチームのコラボレーションを強化できます。しかし、ポータルサイトは一度作れば終わりではなく、継続的な改善が重要です。

SGプラスでは、SharePoint の専門家として、最適なポータルサイトの構築を支援し、情報の周知と検索性を両立させることで企業の業務効率化をサポートしています。導入前のコンサルティングから設計・運用、カスタマイズまで対応し、企業ごとのニーズに最適な環境を提供しています。

SharePoint の導入や活用を検討している方は、ぜひSGプラス にご相談ください。

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