SharePoint の Web パーツでは、「対象ユーザー設定」を活用することで、特定のユーザーやグループにのみコンテンツを表示できます。これにより、ユーザーごとに適切な情報を提供し、サイトの利便性を向上させることが可能です。適切な対象にコンテンツを届けることで、より効果的な情報共有が実現できます。具体的な設定方法やそのメリットについて説明します。
対象ユーザー設定 とは、SharePoint の特定のコンテンツ(Web パーツやナビゲーションリンクなど)を、指定したユーザーやグループのみに表示させる機能 です。
たとえば、
● 営業部だけに営業関連の情報を表示
● 管理職のみに社内戦略のニュースを表示
● 特定のチームにのみ必要なツールのリンクを表示
といった設定が可能になります。
● 権限設定とは異なり、「表示するかどうか」を制御するもの。
● Microsoft 365 グループやセキュリティグループ単位で設定可能。
● 見えなくなるだけで、URLを知っていればアクセスできる場合があるため、
機密情報にはアクセス権限設定も必要。
対象ユーザー設定を活用することで、ユーザーごとに最適な情報を表示し、サイトの使いやすさを向上させることができます。
SharePoint の Web パーツで 対象ユーザーの設定を行うメリット は、主に以下の 7 点が挙げられます。
利用者ごとに 関連性の高い情報のみを表示 できるため、不要な情報を省き、見やすいページを提供できます。例えば、営業部向けの情報を IT 部門のユーザーに表示させないようにすることで、業務効率を向上させます。
機密情報を適切に管理 できるため、アクセス権限のないユーザーに不要な情報が漏れるのを防ぎます。たとえば、人事部向けの人事異動情報を全社員に公開せず、対象ユーザーのみ閲覧可能にすることが可能です。
不要なコンテンツを削減 することで、ページをすっきりさせ、重要な情報を目立たせることができます。ユーザーが迷わず必要な情報にアクセスできるようになるため、UX(ユーザーエクスペリエンス)向上につながります。
ユーザーごとに異なるナビゲーションを提供し、より直感的に利用できるようにできます。たとえば、役職ごとに異なる業務ポータルを表示することで、業務効率を向上させます。
不要なコンテンツをロードしないことで、ページの表示速度を改善し、より快適に利用できます。多くのコンテンツがあるサイトでは、適切に対象ユーザーを設定することで、ページの負荷を軽減 できます。
ユーザーが 「自分に関係のある情報だけが表示される」 ため、探しやすく、利便性が向上します。情報の見つけやすさが向上 することで、業務のスムーズな進行をサポートします。
「適切な人に、適切な情報を、適切なタイミングで届ける」 ことが、対象ユーザー設定の最大のメリットです。これにより、情報の適正配信・セキュリティ・UX 向上・業務効率化など、多くの利点を得られます。
※基本的なパーツのしくみや設定方法は、下記のブログでご紹介しています。ぜひご確認ください。
【SharePoint】Web パーツのクイックリンクでサイトの情報を「見やすく」「探しやすく」!
※基本的なパーツのしくみや設定方法は、下記のブログでご紹介しています。ぜひご確認ください。
【SharePoint】Web パーツ「ニュース」を設置して情報発信しよう!
※参考サイト:Microsoft 公式サイト|SharePoint ページで、ニュース Web パーツを使用する
※基本的なしくみや設定方法は、下記のブログでご紹介しています。ぜひご確認ください。
【SharePoint】ナビゲーションを設定して使いやすいサイトを構築しよう
SharePoint の Web パーツで対象ユーザー設定を行う際には、いくつかの注意点があります。以下の点に気をつけることで、意図しないトラブルを防ぐことができます。
対象ユーザーには Microsoft 365 グループやセキュリティグループを設定する必要があります。
配布リストや SharePoint グループは対象にできない ので注意が必要です。また、正しいグループが設定されているか確認する ことが重要です。誤ったグループを設定すると、本来閲覧できるはずのユーザーが情報を見られなくなる可能性があります。
SharePoint の 対象ユーザー設定はリアルタイムでは反映されない 場合があります。設定後 数分~数時間の遅延が発生 することがあるため、即時適用を期待しないようにしましょう。変更後、キャッシュが影響して すぐに反映されないこともある ので、ブラウザのキャッシュクリアを試すのも有効です。
● 変更後 しばらく時間をおいてから動作確認 する。
● ブラウザのキャッシュをクリア して最新の情報を確認する。
対象ユーザー設定は「表示制御」 のため、閲覧権限とは異なる ことを理解しておく必要があります。
例: 対象ユーザーで設定されていないユーザーは Web パーツが見えないが、URL を知っていれば直接アクセスできる可能性がある。
機密情報の管理には「権限設定」も併用することが重要 です。
● 対象ユーザー設定だけでなく、必要に応じて閲覧権限の設定も行う。
● 機密情報は SharePoint のアクセス権限管理を使って適切に制限する。
誤って対象ユーザーの設定を変更すると、必要な情報が見えなくなるリスクがあります。特に、サイトのナビゲーションや重要な Web パーツに対象ユーザー設定を適用する際は、影響範囲を確認することが重要です。
● 設定前に 影響を受けるユーザーをリストアップ し、影響を事前に把握する。
● 設定変更前に テスト環境や特定のユーザーで試す ことで、不具合を防ぐ。
会社全体で共有すべき情報(例: 社内ニュースや共通のポリシー)に対象ユーザー設定を適用すると、一部のユーザーが見られなくなり、情報の伝達漏れ が発生する可能性があります。
● 会社全体に必要な情報は対象ユーザー設定をせずに すべてのユーザーに表示 する。
● 「対象ユーザーを設定するべきかどうか?」を慎重に判断する。
サイトの管理者や IT 部門と連携せずに設定を変更すると、他の Web パーツや権限設定に影響を与える可能性があります。ナビゲーションやニュース Web パーツなど、サイト全体に影響を及ぼす設定は慎重に行う必要があります。
● 変更前に サイト管理者や関係者と相談し、合意を取る。
● 設定変更の影響を事前にテスト環境で確認 する。
対象ユーザー設定は、適切に使うと非常に便利ですが、設定ミスや遅延、権限との違いに注意する必要があります。事前に影響範囲を確認し、IT 部門と連携しながら慎重に設定することで、トラブルを防ぐことができます。
対象ユーザー設定を活用することで、必要な情報を適切なユーザーに届け、業務効率やセキュリティを向上 させることができます。ただし、設定ミスや権限管理の違いに注意し、適用範囲を慎重に検討することが重要 です。適切に運用すれば、より使いやすく効果的な SharePoint 環境を実現できます。
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