【SharePoint】対象ユーザー設定で編集者に使いやすく、見る人には見やすいサイトを構築しよう!

SharePoint の Web パーツでは、「対象ユーザー設定」を活用することで、特定のユーザーやグループにのみコンテンツを表示できます。これにより、ユーザーごとに適切な情報を提供し、サイトの利便性を向上させることが可能です。適切な対象にコンテンツを届けることで、より効果的な情報共有が実現できます。具体的な設定方法やそのメリットについて説明します。


 

●この記事の目次

  1. 対象ユーザー設定とは?
  2. 対象ユーザーを設定するこによるメリット
    2-1. 必要な情報だけを表示できる(情報の適正配信)
    2-2. セキュリティの向上
    2-3. ページのシンプル化
    2-4. ナビゲーションの最適化
    2-5. SharePoint サイトのパフォーマンス向上
    2-6. ユーザー体験(UX)の向上
    2-7. 業務効率化
  3. 対象ユーザー設定が可能な主な Web パーツと設定方法
    3-1. ① クイックリンク Web パーツ
    3-2. ② ニュース Web パーツ
    3-3. ③ ナビゲーションリンク
  4. 設定の際の注意点と対策方法
    4-1. ユーザーやグループの設定ミスに注意
    4-2. 設定の反映に時間がかかる場合がある
    4-3. 権限設定とは異なるので注意
    4-4. 設定を変更すると一部のユーザーが情報を見られなくなる可能性
    4-5. 全ユーザーがアクセスすべきコンテンツに適用しない
    4-6. サイトの管理者と連携して設定する
  5. まとめ

 


 

対象ユーザー設定とは?

対象ユーザー設定 とは、SharePoint の特定のコンテンツ(Web パーツやナビゲーションリンクなど)を、指定したユーザーやグループのみに表示させる機能 です。

たとえば、

 営業部だけに営業関連の情報を表示
 管理職のみに社内戦略のニュースを表示
 特定のチームにのみ必要なツールのリンクを表示

といった設定が可能になります。

【POINT】

 権限設定とは異なり、「表示するかどうか」を制御するもの。
 Microsoft 365 グループやセキュリティグループ単位で設定可能。
 見えなくなるだけで、URLを知っていればアクセスできる場合があるため、
  機密情報にはアクセス権限設定も必要。

対象ユーザー設定を活用することで、ユーザーごとに最適な情報を表示し、サイトの使いやすさを向上させることができます。

 

対象ユーザーを設定するこによるメリット

SharePoint の Web パーツで 対象ユーザーの設定を行うメリット は、主に以下の 7 点が挙げられます。

必要な情報だけを表示できる(情報の適正配信)

利用者ごとに 関連性の高い情報のみを表示 できるため、不要な情報を省き、見やすいページを提供できます。例えば、営業部向けの情報を IT 部門のユーザーに表示させないようにすることで、業務効率を向上させます。

 

セキュリティの向上

機密情報を適切に管理 できるため、アクセス権限のないユーザーに不要な情報が漏れるのを防ぎます。たとえば、人事部向けの人事異動情報を全社員に公開せず、対象ユーザーのみ閲覧可能にすることが可能です。

 

ページのシンプル化

不要なコンテンツを削減 することで、ページをすっきりさせ、重要な情報を目立たせることができます。ユーザーが迷わず必要な情報にアクセスできるようになるため、UX(ユーザーエクスペリエンス)向上につながります。

 

ナビゲーションの最適化

ユーザーごとに異なるナビゲーションを提供し、より直感的に利用できるようにできます。たとえば、役職ごとに異なる業務ポータルを表示することで、業務効率を向上させます。

 

SharePoint サイトのパフォーマンス向上

不要なコンテンツをロードしないことで、ページの表示速度を改善し、より快適に利用できます。多くのコンテンツがあるサイトでは、適切に対象ユーザーを設定することで、ページの負荷を軽減 できます。

 

ユーザー体験(UX)の向上

ユーザーが 「自分に関係のある情報だけが表示される」 ため、探しやすく、利便性が向上します。情報の見つけやすさが向上 することで、業務のスムーズな進行をサポートします。

 

業務効率化

従業員が必要な情報にすぐアクセスできる ため、無駄な検索時間を削減し、業務の生産性を向上できます。たとえば、部門ごとにカスタマイズされたダッシュボードを表示することで、業務に必要なデータをすぐに取得 できるようになります。

 

「適切な人に、適切な情報を、適切なタイミングで届ける」 ことが、対象ユーザー設定の最大のメリットです。これにより、情報の適正配信・セキュリティ・UX 向上・業務効率化など、多くの利点を得られます。

 

対象ユーザー設定が可能な主な Web パーツと設定方法

① クイックリンク Web パーツ

設定手順:

  1. 画面右上から「編集」(図中①)をクリックし、ページを編集モードにします。
    対象ユーザー設定-クイックリンク

  2. クイックリンクの Web パーツの編集アイコン(図中②)をクリックし、設定パネルを開きます。
    対象ユーザー設定-クイックリンク

  3. 「対象ユーザーの設定有効化」(図中③)をオンにします。
    対象ユーザー設定-クイックリンク

  4. 各リンクの編集画面の表示は、設定されるリンクボタン(図中④)をクリックし、ボタンの編集(図中⑤)をクリックします。
    画面右側に表示された設定画面の「ターゲットとなる対象ユーザー」(図中⑥)に表示させたいユーザーやグループを指定します。
    対象ユーザー設定-クイックリンク

    対象ユーザー設定-クイックリンク

※基本的なパーツのしくみや設定方法は、下記のブログでご紹介しています。ぜひご確認ください。
【SharePoint】Web パーツのクイックリンクでサイトの情報を「見やすく」「探しやすく」!

 

② ニュース Web パーツ

設定手順:

  1. 画面右上の歯車マーク(図中①)から「サイトコンテンツ」(図中②)をクリックします。
    対象ユーザー設定-ニュースパーツ

  2. ページ下部にある「サイトのページ」(図中③)ライブラリを開き、画面右上の歯車マーク(図中④)をクリックし「ライブラリの設定」(図中⑤)から「その他のライブラリ設定」(図中⑥)をクリックします。
    対象ユーザー設定-ニュースパーツ

    対象ユーザー設定-ニュースパーツ

    対象ユーザー設定-ニュースパーツ

  3. 「対象ユーザーの設定」(図中⑦)をクリックし、「対象ユーザー設定の有効化」(図中⑧)にチェックを入れ、保存(図中⑨)します。ライブラリの列に「対象ユーザー」が追加されます。
    対象ユーザー設定-ニュースパーツ

    対象ユーザー設定-ニュースパーツ

    対象ユーザー設定-ニュースパーツ

  4. ニュース Web パーツの設定は、パーツの編集(図中⑨)をクリックし、右側に表示された画面を下にスクロースし「対象ユーザー設定の有効化」(図中⑩)をオンにします。
    対象ユーザー設定-ニュースパーツ


  5. ニュースを投稿する時は、画面上部「ページの詳細」(図中⑫)をクリックし、画面右側のプロパティの編集画面で「対象ユーザー」欄に表示させたいユーザーやグループを指定します。
    img_blog20250124_003-14

※基本的なパーツのしくみや設定方法は、下記のブログでご紹介しています。ぜひご確認ください。
【SharePoint】Web パーツ「ニュース」を設置して情報発信しよう!

※参考サイト:Microsoft 公式サイト|SharePoint ページで、ニュース Web パーツを使用する

 

③ ナビゲーションリンク

設定手順:

  1. サイトのナビゲーションの「編集」(図中①)をクリックし、画面左に表示された編集画面を開きます。
    対象ユーザー設定-ナビゲーションリンク

  2. 各リンクの編集画面で「対象ユーザーの設定」(図中②)を有効します。
    対象ユーザー設定-ナビゲーションリンク

  3. 設定したいリンクの「・・・」(図中③)から「編集」(図中④)をクリックします。ターゲットターゲットとなる対象ユーザー」(図中⑤)に表示させたいユーザーやグループを指定し「保存」(図中⑥)をクリックします。
    対象ユーザー設定-ナビゲーションリンク

    対象ユーザー設定-ナビゲーションリンク


  4. 対象ユーザーが設定させたナビゲーションには、人のマークが表示されます。最後に「保存」(図中⑦)をクリックしまします。
    ※ナビゲーションには「保存」する場所が2か所あります。ご注意ください。
    対象ユーザー設定-ナビゲーションリンク

※基本的なしくみや設定方法は、下記のブログでご紹介しています。ぜひご確認ください。
【SharePoint】ナビゲーションを設定して使いやすいサイトを構築しよう

 

設定の際の注意点と対策方法

SharePoint の Web パーツで対象ユーザー設定を行う際には、いくつかの注意点があります。以下の点に気をつけることで、意図しないトラブルを防ぐことができます。

ユーザーやグループの設定ミスに注意

対象ユーザーには Microsoft 365 グループやセキュリティグループを設定する必要があります。
配布リストや SharePoint グループは対象にできない ので注意が必要です。また、正しいグループが設定されているか確認する ことが重要です。誤ったグループを設定すると、本来閲覧できるはずのユーザーが情報を見られなくなる可能性があります。

対策】

  • 事前に Microsoft 365 管理センターで適切なグループを確認 する。
  • 必要に応じて 新しい Microsoft 365 グループやセキュリティグループを作成 する。

 

設定の反映に時間がかかる場合がある

SharePoint の 対象ユーザー設定はリアルタイムでは反映されない 場合があります。設定後 数分~数時間の遅延が発生 することがあるため、即時適用を期待しないようにしましょう。変更後、キャッシュが影響して すぐに反映されないこともある ので、ブラウザのキャッシュクリアを試すのも有効です。

対策】

 変更後 しばらく時間をおいてから動作確認 する。
 ブラウザのキャッシュをクリア して最新の情報を確認する。

 

権限設定とは異なるので注意

対象ユーザー設定は「表示制御」 のため、閲覧権限とは異なる ことを理解しておく必要があります。

例: 対象ユーザーで設定されていないユーザーは Web パーツが見えないが、URL を知っていれば直接アクセスできる可能性がある。

機密情報の管理には「権限設定」も併用することが重要 です。

対策】

 対象ユーザー設定だけでなく、必要に応じて閲覧権限の設定も行う。
 機密情報は SharePoint のアクセス権限管理を使って適切に制限する。

 

設定を変更すると一部のユーザーが情報を見られなくなる可能性

誤って対象ユーザーの設定を変更すると、必要な情報が見えなくなるリスクがあります。特に、サイトのナビゲーションや重要な Web パーツに対象ユーザー設定を適用する際は、影響範囲を確認することが重要です。

対策】

 設定前に 影響を受けるユーザーをリストアップ し、影響を事前に把握する。
 設定変更前に テスト環境や特定のユーザーで試す ことで、不具合を防ぐ。

 

全ユーザーがアクセスすべきコンテンツに適用しない

会社全体で共有すべき情報(例: 社内ニュースや共通のポリシー)に対象ユーザー設定を適用すると、一部のユーザーが見られなくなり、情報の伝達漏れ が発生する可能性があります。

対策】

 会社全体に必要な情報は対象ユーザー設定をせずに すべてのユーザーに表示 する。
 「対象ユーザーを設定するべきかどうか?」を慎重に判断する。

 

サイトの管理者と連携して設定する

サイトの管理者や IT 部門と連携せずに設定を変更すると、他の Web パーツや権限設定に影響を与える可能性があります。ナビゲーションやニュース Web パーツなど、サイト全体に影響を及ぼす設定は慎重に行う必要があります。

対策】

 変更前に サイト管理者や関係者と相談し、合意を取る。
 設定変更の影響を事前にテスト環境で確認 する。

 

対象ユーザー設定は、適切に使うと非常に便利ですが、設定ミスや遅延、権限との違いに注意する必要があります。事前に影響範囲を確認し、IT 部門と連携しながら慎重に設定することで、トラブルを防ぐことができます。

 

まとめ

対象ユーザー設定を活用することで、必要な情報を適切なユーザーに届け、業務効率やセキュリティを向上 させることができます。ただし、設定ミスや権限管理の違いに注意し、適用範囲を慎重に検討することが重要 です。適切に運用すれば、より使いやすく効果的な SharePoint 環境を実現できます。

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